2018年に行われた介護報酬の改定によって、資格がない人や未経験の人でも介護の仕事ができるようになりました。介護分野の人手不足は深刻な状態です。この改正を機に、働き手が増えることが期待されています。
これまでは「介護の仕事を始めよう」と思ったら、まずは介護職員初任者研修(もとのヘルパー2級)をとる、というのが一般的な流れでした。しかし、「生活援助型」の介護に限り、未経験の高齢者や専業主婦、学生アルバイトなどが仕事にかかわれるようになったのです。また、未経験者が受けることのできる研修が新設されるだけでなく、介護職員初任者研修とのマッチングを積極的に提供していく方針が示されました。
さらに、国家資格である介護福祉士を目指す学生に対する「奨学金制度」を新設することや、離職した介護経験者が再就職したときに「準備金を貸し付ける制度」なども網羅されています。
一方、介護を受ける人の身体に触れる「身体介護」をするには資格が必要です。未経験者がよりキャリアアップしていくためには、まずは入門的資格である介護職員初任者研修をとるのが目標になるでしょう。この資格をとるのに実務経験は必要ありません。けれども、実際に働いて経験を積んでいけば、介護に必要な知識を吸収しやすくなるだけでなく、国家資格である介護福祉士の資格をとるのに必要な「実務経験3年の条件」も満たしやすくなります。
資格や経験がないからと諦めてしまうのではなく、できることから介護の仕事にかかわっていき、キャリアアップを図るのが効率的といえそうです。職場の環境も大事ですので、未経験者でも働きやすい職場を見つける必要があります。